足だけの軍人

凄く若い時に数年間お付き合いしていた人の話です。
その人は一人暮らしをしていたので、よく遊びに行ってました。
その部屋はたまに寒気がしたりするので、霊的に良くないんだろうな、と思っていました。
ある時です。元彼とこんな会話をしました。

元彼:深夜とかにドアを開こうとする音がする。
有沙:誰が開けようとするの?
元彼:他の部屋の人かな。
有沙:酔っ払いが分からないようになってんだね。
元彼:そうだと思う。
   そういえばこの前…。ドアが開く音がして、そのまま開けられたんだよ。
有沙:(絶句)
元彼:寝てたところにたくさん人が入ってきて。
   日本の軍隊の人たちが何人も。足だけなんだけど、軍人ってわかった。
   玄関からベランダの方に歩いて行ってた。
有沙:幽霊だよね?
元彼:全然そんなの信じてないから、違うと思う。
   足はすごく汚れてて、血とかついてたな。

こんなの見て、幽霊信じないのが不思議で。ある意味、幽霊を見ることよりも、あまりに信じないこの彼の思考が恐ろしかったです。

そこからとても長い年数が経過してから、当時の彼が住んでいた場所で生まれ育った知り合いが出来ました。
そこで彼の経験したこの話をしたところ、真剣な顔で教えてくれました。
その部屋の玄関側のすぐ近くに大きな公園があります。その公園には首塚があるとのこと。そしてその付近に住む方は多く不思議な体験をされているとのこと。
足だけの軍人、多分本物ですよ。
そう言われてとても納得しました。

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