般若のお面 No.5

 2回の般若のお面との遭遇。なぜあのような姿で見えるのだろうか。他の人には見えていないのは分かっていたので、本当に不思議でした。
 ずっと理由を考えていました。
 その後も般若のお面をつけている姿を目撃しました。知り合いでも無い人です。かなり混んでいる電車の中で、友達と談笑している女性でした。
 般若のお面をつけている人はいつも笑っています。
 あのお面はいったいどういう意味だろう。今もよく考えています。

 人の二面性。そう結論づけていましたが、最近それだけでは無い気がしてきました。特にMさんのことを思い出すと、笑っていながらも悲しみもある。彼女の表情を分かりやすくしてくれたのが般若のお面のようです。
 彼がMさんにしていたことは酷いことでした。彼女は利用されながらも、彼を求め、恋して。そして悲しみと嫉妬であのような姿になったみたいです。
 光源氏を愛して求めた六条御息所とMさんが重なります。

         ”般若のお面”はこれで終わりです。

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