モラハラと精神的DV

私が腹が立って仕方ないことの一つに「DV」や「モラハラ」があります。
最近はDVよりもモラハラという言葉が一般的になったせいか、精神的DVもモラハラとして扱っている被害者の方も多い気がします。わざわざ言い直ししたりして。
モラハラになるとDVよりはマシ。そんな感覚も受けてしまいます。
この二つの違いについて今回は書きます。

DVとは「ドメスティック・バイオレンス」の略で、夫婦をはじめ近親者間の暴力全般のことを差します。
モラハラとは「モラル・ハラスメント」の略で、「モラル(道徳)」を振りかざし、自分と世間一般の常識が正しく、相手が悪いといった考えかたから振るわれる精神的暴力です。
モラハラの一種として精神的DVも含まれています。

モラハラ…「常識的に」「世間はどうか」などを基準に相手を責める。
     「常識がない」や「そんな事がわからないのか」などが代表的な例です。

精神的DV…「自分」を基準に相手を責める。
      「お前はバカだ」「俺がいないと生活も出来ないくせに」
      「俺の言うことが聞け」「俺はお前のためを思って教育してやってる」
      これらが代表的な例です。

この二つの違いは「世間一般からどれだけずれているか」ということか、「自分の基準からどれだけずれているか」ということでしょう。
モラハラをする人は本当は常識的とは言えません。道徳的にしてはいけないモラハラをするのですから、そんな常識を持ち合わせていないというのは明確です。
しかし、自分の基準で自分は常識的だと思い、他者を痛めつけるのがモラハラなのです。
定義的には「世の中」を出してくるのですが、自分を主体にしたことも一緒に出すこともほとんどでしょうから、この二つは複雑に絡まりあっていると思います。
俺様主義で相手を支配しようとしてくる手段の一つに「世間」との違いを出して無能扱いするのです。

自分はDVを受けていない、という考えにしたいせいか、モラハラだと思う人が多い気がします。精神的DVはモラハラの一種ではありますので、間違いではないのですが、細分化されています。なので、どちらがマシっていうことでも無いです。
モラハラだろうがDVだろうが、やる方が悪い。被害者は何も悪くないです。
被害にあうことが自分のせいとか、恥ずかしいとか、そんな気持ちは持たないで欲しいです。
やる方が悪い。それだけ。それに尽きます。
精神的DVはモラハラの一種とは言えますが、前述のように明確な違いがあります。
自分が受けたものがどちらなのかということを正しく理解しておいてください。
専門家に話した時など、違いがはっきりと分かる方が良い場合もあります。
それから「モラハラの方が少しマシ」という考えをお持ちの方は、「精神的DVはモラハラの一種」と思い直してください。(何度も言ってスミマセン)
どちらがマシとかありません。単なる暴力です。

一番大切なことは、絶対に自分を責めないでください。そして相手を庇うのをやめてください。
暴力をした方とされた方。加害者と被害者。そのように捉えてください。
自分の性格のせいでモラハラを受けた。DVを受ける星のもとに生まれた。
こんなことは絶対にないです!あなたは悪くない。絶対に悪くないです。
そんなことをする男だとは思わなかった。見破れなかった自分が悪い。
これも考えなくて良いです。そんなの分かるはずないのです!

自分の状況を正しく受け止め、前を向いて歩いていきましょう。

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