般若のお面 No.4

 般若との時間を終わらせたのは、私だったか彼だったか。どちらか思い出せないけど、将棋盤に乗っている駒を集めて箱に入れ始めました。
 この三人は四角関係の三点を担当していて、それを全員が知っている。不思議で、そして嫌な関係性です。私たちはもう少し遊びたかった。でもちゃんとしていない私には何も言う権利は無く、彼を選ぶ未来が無いと分かっているだけに何も出来ません。

 私は帰る準備をして教室を出ました。帰り際に彼とMさんに「バイバイ」と手を振りました。
 Mさんの顔にはもう般若のお面はなく、ここ数か月で覚えたばかりの濃い目のメイクを施した顔がありました。
 般若のお面かぶってる方がキレイじゃん
 心の中で毒づいて歩いている足元からのびる影が気になりました。もしかしたら今、自分の顔に般若のお面があるかも、と。

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